【飲食店営業】臨時営業・臨時出店とは? どのような営業をするときに必要?
飲食店を固定店舗で行う場合や自動車を利用して営業をする場合には許可を受けなければなりません。
またそれ以外にも一時的に飲食店の営業を行う場合も許可や届出を行う必要があります。この許可や届出のことを臨時営業の許可・臨時出店の届出といいます。
では臨時営業・臨時出店とはどのようなものなのでしょうか? また臨時営業・臨時出店を行う場合はどのような手続きをするのでしょうか?
この記事では、臨時営業・臨時出店について解説させていただきます。
臨時営業・臨時出店とは?
臨時営業・臨時出店とは、営利を目的としない縁日や祭礼等の行事において、不特定多数を対象とする営業等をいいます。
例えば、お祭りやお花見の会場で簡易な施設で営業するような場合です。
そのような場合は臨時営業・臨時出店の許可や届出が必要になります。しかし臨時営業・臨時出店にはいくつか種類があるので、それぞれの種類ごとに適切な許可や届出を行わなければなりません。
では臨時営業・臨時出店にはどのような種類があるのでしょうか?
臨時営業・臨時出店の手続の種類
臨時営業・臨時出店には次のような種類があります。
臨時営業・臨時出店の種類
- 模擬店等の届出
- 臨時出店の届出
- 移動型臨時営業の許可
- 短期固定型臨時営業の許可
臨時営業・臨時出店は4種類に分けられます。届出、許可ともに2種類ずつあります。
これらの4種類がどのように分けられているのかを次に説明します。
必要となる手続の確認
これから行おうとする飲食店の営業が、4種類ある臨時営業・臨時出店のどれに該当するのかは、下のフローチャートを使うことで確認することができます。
- Q1 恒常的に催される行事である
- 「はい」は「一般営業施設の許可」の手続
「いいえ」は次に進む
- Q2 行事の参加対象が特定の方に限定されている
- 「はい」は「模擬店等の届出」の手続
「いいえ」は次に進む
- Q3 出店する行事は、出店地の所管する地方公共団体、国または住民団体が関与する公共的目的を有する行事であって、出店日数は1年につき合計で概ね5日以下である
- 「はい」は「臨時出店の届出」の手続
「いいえ」は次に進む
- Q4 複数の行事に移動してまたは同一行事に繰り返し営業する
- 「はい」は「移動型臨時営業の許可」の手続
「いいえ」は「短期固定型臨時営業の許可」の手続
前述したように、種類により手続きが異なります。種類ごとに手続きの内容を見ていきましょう。
模擬店等の届出の手続
まず模擬店等の届出ですが、行事の参加対象が特定の方に限定されているときに行う届出になります。
具体的には、学園祭や自治会祭などを行うときです。
模擬店等の届出の必要書類
模擬店等の届出に必要になる書類は、模擬店実施届出を提出する場合が多いですが、保健所により若干異なることがあるため、管轄の保健所にご確認ください。
臨時出店の届出の手続
臨時出店の届出は、国や自治体が関与しているなどの公共的な目的を有する行事に出店するときに行う手続です。
例えば、住民祭や産業祭などに出店するときに届出を行います。
臨時出店の届出の必要書類
臨時出店の届出に必要な書類は、「行事開催届」と「行事における臨時出店届」です。
これらの書類はそれぞれ2通必要になります。
移動型臨時営業の許可の手続
移動型臨時営業の許可は、複数の行事に移動して営業したり、同一行事に繰り返し営業をするときに行います。
具体的には、縁日やお花見、花火大会の会場などで簡易な施設で営業をする場合です。
また「繰り返し営業をするとき」とあるように、許可の有効期間が5年と長めに設定されているのが特徴です。
移動型臨時営業ができる範囲は、東京都の場合、都内一円に限られるのでお気をつけください。
移動型臨時営業の許可の必要書類
移動型臨時営業の許可申請をするためには、次の書類が必要になります。
移動型臨時営業の許可の必要書類
- 営業許可申請書
- 施設の構造および設備を示す図面(2通)
- 許可申請手数料
- 食品衛生責任者の資格を証明するもの
移動型臨時営業は許可申請になるため、必要書類が届出に比べると多くなります。
また食品衛生責任者を置く必要があるので、資格を証明するものも忘れずに準備しましょう。
食品衛生責任者について詳しく知りたい方は、下の記事をお読みください。
また移動型臨時営業の申請先は、、主な営業地を所管する保健所になります。
短期固定型臨時営業の許可の手続
短期固定型臨時営業の許可は、一時的に催されて、不特定多数の者が自由に参加できる行事で営業をするときに行います。
例えば、スポーツイベントなどで飲食店の営業をするときに短期固定臨時営業の許可申請をすることになります。
短期固定型臨時営業の許可の必要書類
短期固定型臨時営業の許可申請に必要となる書類は次のようになります。
短期固定型臨時営業の許可の必要書類
- 営業許可申請書
- 施設の構造および設備を示す図面(2通)
- 営業の大要(2通)
- 行事の内容が分かる書類(チラシ、仕様書等)
- 許可申請手数料
- 食品衛生責任者の資格を証明するもの
上記の書類のほかに必要に応じて、営業場所の使用許可書類や承諾書を提出することもあるので覚えておきましょう。
また短期固定型臨時営業の申請先は、行事会場を所管する保健所になります。
まとめ
飲食店の臨時営業・臨時出店について解説させていただきました。疑問は解消されたでしょうか?
臨時営業・臨時出店の許可や届出をどのようなときに行う必要があるのか、またそれらの手続に必要な書類などについてご理解いただけたかと思います。
この記事に書かれていること以外で、飲食店の臨時営業・臨時出店について疑問などがあれば、管轄の行政庁や飲食店営業許可を専門にしている行政書士に相談することをおすすめします。