【飲食店営業許可】自動車で飲食店の営業をするときはどのような手続をすればいい?(東京都)

飲食店の営業と一口に言っても、店舗を構えて営業をするのか、またはキッチンカーなどのように自動車を利用して営業をするのかで、開業するために行う許可申請の手続きが異なってきます。

ではもし自動車を利用して飲食店の営業をするときは、どのような手続きをすればいいのでしょうか?

この記事では、自動車で飲食店の営業をする場合の手続について解説させていただきます。

※この記事では「東京都」の許可申請の手続について解説しています。「東京都」以外で許可申請をされる方は、この記事の内容は参考程度に止めて、詳細はそれぞれの行政庁で確認するようにしてください。

自動車で飲食店を営業するときの業種

自動車で飲食店を営業する場合、2つの業種に分けられます。営業許可の手続は業種によっても異なるため、しっかりと確認することが必要です。

業種は次の2種類です。

自動車で営業するときの業種

業種取扱内容
飲食店営業・食品を調理し客に飲食させる営業
・魚介類を販売する営業
(生きているまま販売するもの、容器包装に入れられた状態で仕入れそのままの状態で販売するものを除く)
食肉処理業獣畜をとさつし、もしくは解体し、または解体された鳥獣の肉、内臓等を分割し、もしくは細切れにする営業

この記事では上記の2種類のうち、飲食店営業にあたる業種の手続について解説します。

食肉処理業を行う場合は、管轄の保健所にお問い合わせください。

事前相談

自動車で飲食店の営業を行おうとする場合は、まずは保健所に事前相談をする必要があります。

事前相談をする保健所の管轄は、仕込場所や申請者の住所地などにより異なります。

次のフローチャートで、どの管轄の保健所に事前相談をするのかを確認してみましょう。

仕込場所が都内にある
「はい」の場合は、仕込場所の所在地を管轄する保健所
「いいえ」の場合は次に進みます
事務所または自動車の保管場所等が都内にある
「はい」の場合は、事務所または自動車の所在地を管轄する保健所
「いいえ」の場合は次に進みます
申請者の住所が都内にある
「はい」の場合は、住所地を管轄する保健所
「いいえ」の場合は、主たる営業地を管轄する保健所

どこの保健所に事前相談するのか確認できたでしょうか?

ちなみに仕込場所とは、次のような行為を行うための施設のことです。

仕込場所とは?

  • 自動車で取扱う食品の調理、包装等を行う施設
  • 器具等の洗浄、消毒を行う施設
  • 給水タンクへの給水を行う施設
  • 食品、容器包装等の保管を行う施設

では次に自動車で営業をするときの許可申請に必要な書類を見ていきましょう。

自動車で飲食店を営業するときの必要書類

自動車で飲食店を営業するときは、次のような書類が必要になります。

必要書類

  • 営業許可申請書(1通)
  • 施設の構造および設備を示す図面(2通)
  • 営業の大要(2通)
  • 許可申請手数料
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの

上記の書類を用意したら、施設工事完成予定日の10日くらい前に提出しましょう。

ちなみに営業許可申請書と営業の大要は、東京都福祉保健局のホームページからダウンロードできます。

自動車で飲食店を営業するときの手続の流れ

次に自動車で飲食店を営業するときの手続の流れを見ていきます。

営業許可の申請書類の提出から営業開始までの流れは次のようになります。

①申請書類の提出
必要書類を作成して提出します
※提出の前に必ず事前相談をしましょう
②施設検査の打合せ
申請書類の提出の際に、担当者と工事の進行状況の連絡方法や検査日等を相談します
③施設完成の確認検査
施設が完成したら、営業者が必ず立ち会い確認検査をしてもらいます
この確認検査で施設基準に適合していないと判断された場合は許可がおりません
不適事項を改善し、改めて検査日を決めて再検査を受けることになります
④許可証の交付
施設基準適合確認後、許可証が作成され交付されます
交付までに数日かかるため、交付日等についてはあらかじめ打合せておきましょう
⑤営業開始
許可証が交付されると、営業を開始することができます

上記の流れのなかで、許可を受けることができるかどうか判断される重要なポイントは、施設の確認検査になるでしょう。

施設のどのようなところが基準に適合しているのか確認されるのでしょうか?

次に説明します。

営業する施設の基準

自動車で飲食店の営業許可を受けるためには、施設(キッチンカーなどの自動車)の基準に適合する必要があります。

施設の基準は次のような設備等に設けられています。

施設の基準が設けられている設備等

  • 施設
  • 区画
  • 汚染等防止
  • 構造
  • 給水設備
  • 手洗設備
  • 冷蔵設備
  • 保管設備
  • 廃棄物容器
  • 洗浄設備
  • 機械器具
  • 運搬容器
  • 計量器
  • 清掃用具
  • タンク容量

項目が多いので、特に重要なポイントだけ挙げておきます。

①施設

屋外から汚染を防止し、衛生的な作業を継続的に実施するため位必要な構造を有すること

②区画

運転室と食品取扱施設との間に、間仕切り等で区画を行う

④構造

優花、内壁および天井は、清掃しやすい構造・材料を使用

⑥手洗設備

必要な個数を有すること。水栓は、線女後の手指の再汚染が防止できる構造であること

⑦冷蔵設備

食品を衛生的に取扱うために必要な機能を有する冷蔵または冷凍設備を必要に応じて有すること

⑨廃棄物容器

不浸透性および十分な容器を備えており、清掃がしやすく、汚液および汚臭が漏れない構造であること

⑩洗浄設備

使用目的に応じた大きさおよび数を有すること

以上、特に重要なポイントを挙げさせていただきました。

これらの基準に適合するように、施設を工事する前から意識しておくとよいでしょう。

公衆衛生上、必要な措置の基準

施設の基準に適合しているか否かは許可申請を受けるうえで重要な事項になりますが、営業を開始してからも適切な衛生管理を行う必要があります。

許可が下りて営業を開始するときは、次のことを守って営業を行います。

営業をするうえで務めるべき衛生管理

  • 給水タンクは常に飲用に適する水が供給されるよう、定期的に清掃し、清潔に保つこと
  • 営業開始の都度、給水タンクへ所定の量の給水を行い、営業終了後、給水タンクおよび排水タンク内の水を公衆衛生上支障のない方法により廃棄すること
  • 器具等は、それぞれの使用区分に従って使用すること
  • 取扱品目および取扱量は、作業場の規模等に見合ったものとすること
  • 作業は、必ず施設内で清潔に行うこと
  • 冷凍原材料は、法の基準に従い、常に適正に行うこと
  • 食品の保管管理は、特に先入れ先出しに留意すること
  • 1から8までの事項のほか、固定店舗と同様の規定を適用する

上記の8点を意識して、営業をするようにしましょう。

まとめ

自動車で飲食店の営業をするときに必要な手続きについて解説させていただきました。疑問は解消されたでしょうか?

自動車で飲食店の営業を行う場合の許可申請に必要な書類や、手続きの流れ、また許可を受けることができるか否かのポイントになる施設の基準についてご理解いただけたかと思います。

この記事に書かれていること以外で、自動車で飲食店の営業を行う場合の手続について疑問などがあれば、管轄の行政庁や飲食店営業許可を専門にしている行政書士に相談することをおすすめします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です